公益財団法人東京大学学生キリスト教青年会

東京大学学生キリスト教青年会(東京大学YMCA)は、東京大学の学生間にキリスト教を宣べ伝え、かつその霊性、知識、身体の発達をはかるために、日本初の大学YMCAとして1888年(明治21年)5月13日に創立されました。>

理事長挨拶

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公益財団法人東京大学学生キリスト青年会  理事長  徳久  俊彦

 東大学生キリスト教青年会は、1888年に我が国大学で初めてキリスト教を学びつつ活動する青年会として組織され、2018年には創立130年を迎えます。設立後間もなく、会員学生がキリスト者として切磋琢磨しながら生活できる宿舎を保持するようになり、1916年には本郷追分町に木造4階建ての本格的な寄宿舎が建設されましたが、老朽化により、1975年には敷地を処分し、跡地に建てられたマンションビルの一角が現在の寄宿舎として確保されました。

 当青年会は、学生と卒業生を会員とする公益財団法人として事業の運営等に当たっていますが、寄宿舎の運営は、伝統的に入舎生の選考から諸行事まですべて舎生の自治を旨とし、企画・実行されています。

 私は、1953年春に経済学部を卒業するまでの4年間、寮生活を経験しました。寮生活は、誠に自由で楽しく、今なお当時の舎生仲間との夜を徹した語り合いや、折に触れての近郊散策・小旅行が懐かしく思い出され、半世紀以上経過した現在でも、前後十年くらいの幅のある先輩・同期・後輩の有志者が交流・懇談の機会を毎年定期的に開いて、旧交を温め合うことが楽しみになっています。

 今から考えますと、この寄宿舎での生活の特徴は、第一に、寮仲間と一緒に聖書を読み、イエスの事績と言葉に思いを致し、常に自分を客観的に見つめることを可能にし、知らず知らずのうちに自己を超えた存在にある種の怖れと信頼を感じさせてくれたことだと思います。そのような自己認識は、他の人々との関係で自分を絶対化しないで、何事も相対的に考える心の余裕を与えてくれたような気がします。第二に、舎生は全体として多くないのに、その多様性は極めて大きく、各人の居室はすべて個室であり、プライバシーを尊重しつつ、様々な機会に対話が出来る環境にあります。最近では、留学生の数も増え、また、数年前からは新たに女子学生もこの輪に加わってくれていて、誠に有意義な環境になりつつあると思います。このグローバル化時代に、同じ垂直の関係での価値観を共有しつつ、専門分野、国籍、性差を超えた多様な仲間と同じ食事をして寮生活を送ることは、舎生の皆さんが、卒業後の永い人生で忘れられない基盤としての経験を積んでいただけるものと願っています。