公益財団法人東京大学学生キリスト教青年会

東京大学学生キリスト教青年会(東京大学YMCA)は、東京大学の学生間にキリスト教を宣べ伝え、かつその霊性、知識、身体の発達をはかるために、日本初の大学YMCAとして1888年(明治21年)5月13日に創立されました。>

理事長挨拶

公益財団法人東京大学学生キリスト青年会  理事長 月本 昭男

 

東京大学学生キリスト教青年会は、1888年にキリスト教を学びつつ、社会的な活動と取り組む学生キリスト者の集まりとして創設されました。1906年に「財団法人」として登録され、2011年には「公益財団法人」として認可され、今日にいたっています。会員は大学院生を含む学生と卒業生であり、主な事業は寄宿舎の運営と現役舎生による活動です。

当青年会はキリスト教を掲げていますが、教派的に偏ることなく、舎生たちは、幾世代にもわたって、生活をともにしながら、聖書を学び、祈りを共にし、社会活動にも取り組んできました。そうした活動はすべて、現役舎生の自主性を尊重するかたちで営まれてきました。当青年会は、公益財団法人として、寄宿舎の運営に責任をもつとともに、現役舎生の活動を支援してまいります。

顧みますと、私の世代が寄宿舎で過ごした1960年代末から1970年代初めは、戦後の急速な経済成長の矛盾が様々に顕在化した時期であり、「東大闘争」がそれに重なりました。そのような時期、寄宿舎において、社会に、また自分という存在自体に、多くの矛盾を感じつつ、社会と人間について、歴史と文化について、思想と宗教について、仲間と語り合いました。そこから友情が育まれました。それらは、それぞれの生涯の宝となって、今にいたっています。かつての舎生たちは、いまも世代ごとに、懇談・交流だけでなく、さらなる学びの機会をもち続けています。

当青年会の寄宿舎が、これからの世代の舎生にとっても、生涯の友情を育み、見えない宝を生み出す場であり続けることを願ってやみません。また、当理事会がそのための一助になることに努めたく存じます。